許しを強要されることは、
新たなトラウマになり得ます。
トラウマを抱えた方の心は
絶望と混乱の中にあるからです。
水島広子さんの著書より
許しについて
以前、あるクライアントさんが
「親を許すことをカウンセラーに
強く勧められて、とてもつらかった」
と話してくれました。
許しとは、一体何なのでしょうか?
先日ご紹介した水島広子先生の
『トラウマの現実に向き合う』にも
許しについての深い考察がありました。
また、マンガ版
『トラウマや不安、痛みって本当に不思議』
にも、許しについての記述があり
とても考えさせられる内容でした。
今日は、それらの本から
大切だと感じたことをみなさんに
シェアしたいと思います
許しとは誰のためのもの?
まず、一番大切なことは・・
許しは、相手のためじゃなく
自分のためにするもの
傷つけられたとき、
人はさまざまな反応をみせます。
- 誰にも話せず
ひとりで抱え込んでしまう。 - 復讐心にとらわれ
人生を復讐に捧げる。 - アルコールや他の依存対象で
痛みを麻痺させる。
中には、深い痛みのために、
まったく動けなくなることもあります。
許しは必要?
許しについては
意見が真っ二つに分かれるようです。
許しに共感する人は
こんな言葉に共鳴します。
“Without forgiveness,
there’s no future.”
「許しがなければ、未来もない」
デズモンド・ツツ
一方で、許しは
「加害者への免罪符になってしまう」
と感じる人もいます。
驚くべき許しの事例
許しとは何かを考える上で、マンガ版
『トラウマや不安、痛みって本当に不思議』
に印象的な実話が載っていました。
イスラエル兵の息子を
パレスチナの狙撃手に殺された
ロビ・ダメリンさんは
「どうか息子の名のもとに
復讐はしないでください」
と語ったそうです。
また、アメリカ・ウィスコンシン州の
シーク教寺院で、人種差別主義者による
銃撃事件が発生し、父を殺害された
パルディープ・カレカさんは、
「許しを選ぶことは
二度とこのようなことが起こらない
ようにするために、相手を包み込み
手を差し伸べること」と話したそうです。
許しと容認は違う
「こんなふうに許すなんて
自分には無理だ」
と思う人もいると思います。
家族を殺された状況で・・・
私もそう感じてしまいます。
実際に
新婚夫婦を対象にした4年間の調査では
パートナーから心理的・身体的な
暴力を受けた人のうち
- 許した人はその後も虐待が続いた。
- 許さなかった人は、虐待が減った。
という結果も出ているんですよね。
許すことで状況が変わらず
屈辱や依存が続くのなら
それは「本当の許し」と言えるのか?
「許すこと」と
「容認すること」は違う!
許すことが
加害者の行為を正当化することに
なってはいけないよね。
もし許しが
「悪行を許可すること」になってしまうなら
それは健全な許しではない。
これは確かに言えることだと思います。
許しは自分のペースで
水島先生の著書の中にこんな話がありました。
ある女性が性的被害を受けたとき
医師から「相手を許しなさい。
許さないとあなたは楽にならない」
と言われたそうです。
彼女はこの言葉に大きなショックを受けました。
なぜなら・・・
彼女は医師の言葉を
「相手の行為を大目に見なさい」(容認)
「どうでもよいことに、いつまでも
こだわっているから苦しんでいる」
と受け取ったからです。
このように
許しを勧められることは
新たなトラウマになり得るのです。
トラウマを抱えた方の心は
混乱と混乱の中にあるから。
水島先生によると
トラウマからの回復プロセスは、
喪失体験からの回復でもあって
以下の3つの段階があるそうです。
- 否認:「そんなことはなかった」
と思いたくなる。 - 絶望:絶望、怒りや罪悪感、後悔など
さまざまな感情が強く出る。 - 脱愛着:新しい視点を持ち、未来に
目を向けられるようになる。
許しは、この
「脱愛着」の段階で初めて
視野に入ってくるものです。
許しという究極の選択
許しとは
他人から言われてするものではない。
それは
自分の人生をどのように歩むかを
「自分で選ぶこと」。
トラウマを抱えた人は
「自分は絶対に立ち直れない」と
感じる時期があります。
この時期には
自分の「被害者性」を
強く意識することが多い。
やがて時がたち
混乱が整理されると
失った「自分」を嘆き
「自分」の将来に絶望し
そして、新たな「自分」を
迎え入れる
という癒しのプロセスが進みます。
その時期がくると
新しい選択肢が出てきます。
人生の舵を自分自身で
握れるようになるのです。
もしタイミングがきて
被害者役を続けたくないのであれば
自分の意思で
“キャスティングを変えてもいい”んです。
誰かに「許しなさい」と
言われるものではなく
あくまで**「自分が選ぶこと」**。
自分を許すこと
水島先生は著書の中で、こう書かれています。
トラウマ体験者は、「許せない」と思うとき
自分の傷を再びえぐっている。
トラウマに関連したネガティブな記憶が
ネガティブな感情と共によみがえる。
つまり、許さないでいることとは、
自分を傷つけ続け
「被害者」という立場に自分を縛り付け
自由を奪い続けることである。
そして、「自分を許す」ということは
自分を傷つけることをやめ
被害者役から自分を解放すること
なのだと思う。
深い言葉だと思います。
他人を許すこと以上に
自分を許すことは難しいかもしれません。
許しは、トラウマという「異物」を
自分の中で消化し、受け入れていくプロセス。
許すことは過去を変えることではなく
これからの自分の人生をどう生きるかを
決めること。
だからこそ、許しは
「自分のために、自分のタイミングで」
やってくるものなのだと思います。
いかがだったでしょうか?
許しは、相手のためじゃなく
自分のためにするもの。
この記事が許しについて悩んでいる方の
ヒントになれば嬉しいです。
そして最初の一歩として
- 否認:「そんなことはなかった」
と思いたくなる。 - 絶望:絶望、怒りや罪悪感、後悔など
さまざまな感情が強く出る。 - 脱愛着:新しい視点を持ち、未来に
目を向けられるようになる。
自分がどの段階にいるのかを
見つめてみるのも良いと思います。
あなたの癒しの助けになりますように
お花は自分のタイミングでしか咲かない
だから美しいのかもしません
今日も読んでくれて Thank you
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